古 式 平 城 儀 流
庖丁道の故事は色々と伝えられていますが古くから宮中で正月を祝って行われた儀式の、ひとつとされています。この儀式の様式は、鎌倉時代以降は様々に絵画や文学の上にその姿を留めています。一般に調理人が現れるのは室町時代からで、料理の流儀もこの頃から始まります。江戸時代から式包丁は料理人の表芸となり宮中においては、一月十九日、幕府では、一月十二日、それぞれ天皇・将軍家の御前でいかめしく包丁するのが恒例の行事とされるように、なったのであります。
式庖丁にも様々の諸派、流儀があり、その一つ清和四条流由来の祖は、新宮家初代、旧名・源義盛新宮十郎であります。義盛は清和源氏六条判官・源為義の弟として、生まれ幼少の頃より新宮別当のもとにありて、源義盛、名を改め新宮十郎と名のる。寿永二年入京、従五位蔵人備後守となる。治承四年八条院蔵人に補せられ、従五位八条院蔵人新宮備前守行家となる。新宮別当のもとで諸事式作法を勉学、宮中にて諸事作法を司る要職に付き、内膳職も務め代々、新宮義房より行継まで十一代、従五位蔵人となり行家の要職を継ぎ現在、当家三十三代新宮章好を家元とし一門に伝承されています。


古式 平城儀流は、日本料理協會々長・中村一議と、清和四条流、高弟師範・峰林光由とで式庖丁の伝統と歴史を勉強、研鑽し、国の始まりである奈良で発足した流派です。

*当協會にて毎月二十一日・午後二時~午後四時まで儀式庖丁の勉強及び、講習会を
  開催致しております。
                                                                                         会 頭 ・ 中 村 一 議